3月3日は桃の花が咲く時期。桃の節句ともいわれます。
多くの実がなる桃は生命力の象徴と言れ、街には桃を使ったスイーツがあふれます。
雛遊びのときに食べられていた雛あられや、旬のはまぐりも定番。
大人は桃の花を浮かべたお酒か、江戸時代から流行った白酒(餅米やみりんからつくったもの)を、お雛さまを眺めながらたしなむのです。
雛祭りには欠かせない菱餅は、植物としての菱の強い繁殖力にあやかり、子孫繁栄を願うものです。菱の実は滋養強壮によいとされ、赤白緑の三股の菱餅では、白い餅に菱の実を入れ、清らかな雪を表わします。赤い餅は解毒作用のあるくちなしで色づけ、厄除けの意味を持つ桃の花を表わし、緑の餅は増血効果のあるよもぎ餅で、健康を祈る新緑の若葉を表わします。
菱餅とともに、雛飾りにお供えするお菓子として、ひなあられは欠かせません。米を妙って、豆を妙りまぜ、砂糖をよくまぶします。豆は大豆か、黒豆。菱餅と同じく、長寿や純潔を表わす白、魔除けの赤、健やかな成長の緑という三色で彩ります。
蛤は、一対の具がぴたりと合わさって、他の具とは合いません。そこから転じて、一組の夫婦が一生添い遂げますように、との願いを込めて、桃の節句では、蛤のお吸い物をいただきます。そのとき一対の蛤の具には、具を二つ入れるそう。
田螺の貝は、まん丸くて、つぶらな形。そんな田螺を食べて、つぶらな瞳の、きれいな顔立ちの女の子になりますように、と桃の節句に田螺をいただくようになったとか。田でとれる巻き貝で、昔は貴重なたんぱく源でした。
間違見やすいのですが、白酒と甘酒は別のお酒です。
白酒 | 甘酒 |
---|---|
4,515円(税込)
国産の米と米麹のみで造ったこの甘酒は、発酵で生まれた濃厚な甘さが特徴です。温めても冷やしても美味しくお召し上がりいただけます。アルコールは含まれておりませんので、安心してお召し上がりいただけます。
天領酒造/テンリョウシュゾウ 酒屋の濃厚甘酒500g×6本セット 飲料【三越伊勢丹/公式】
桃の節句にお供えする白酒は、蒸したもち米に、米麹、味醂(みりん)または焼酎を混ぜて寝かせ、ひと月ほど熟成させたらすりつぶして作ります。
白酒の紐の如くにつがれけり
高浜虚子
桃花酒は、桃の花を刻んで酒に浮かべたもの。桃は百歳に通じるため、長生きの縁起物の酒とされます。中国の故事に、桃の花が流れる川の水を飲んだところ、三百歳まで生きられたとあり、それにあやかって、曲水の宴で飲まれるようになりました。ちなみに、平安、室町の頃までは桃花酒が主流だったのが、江戸の頃から白酒が人気になったとか。
古代中国では、旧暦三月の最初の巳の目に、母子草を入れた餅を食べるならわしがありました。ところが母と子をついて餅にするのは縁起が悪いということで、日本では、代わりによもぎを用いるようになりました。草餅ともいいます。
をおもふ憶良(おくら)の歌や蓬餅(よもぎもち)
竹下しづの女(じょ)
■このページの文章の参考書籍;
以上の複数の書籍の文章をミックスして書き直しました。
工房天祥 | 秀光人形工房 | 原 孝洲 | 真多呂人形 |
---|---|---|---|